今の状況(ストレス)への反応の可能性があります
人は、つらい状況に追い込まれると心の働きの調和が乱れ、まるで発達障害があるかのような症状が表れることがあります。
例えば、不注意や感覚過敏は「発達障害」の方に見られる特性であると言われることが多いですが、そうでない方でも、心身への負担や不安感が強くなっている時に生じることは、よくあります。
「大事な仕事を任されたら、よけいにミスが増えた」
「子育てが大変で常に気を張っていたら、ささいな音が気になるようになった」
など、生活の変化に伴って表れた症状は、現状のストレスが大きいことへの反応として表れたものかもしれません。
小さい頃からたびたび気になっていた場合は、発達特性かもしれません
発達特性というのは、生まれつきの脳のクセです。
子どもの頃から
「忘れ物が多い」
「締め切りが守れない」
「音に敏感」
「服の肌触りが気になって着られない」
などがあって困っていたという場合には、その方の発達特性かもしれません。
「発達障害」と診断されない一般の方々でも、多少の発達特性を持っていることはよくあります。
その特性が、ストレスがかかったことで目立って見えてくる、ということもあるでしょう。
一方で、それらは、生まれつきの個性や持ち味という面もあります。
カバーしたり、逆に生かしたり、うまく付き合っていく方法を見つけられると良いでしょう。
困りごとを「なおすべき原因」ではなく、ストレスの「サイン」や「結果」ととらえてみましょう
発達特性があるにしても、ないにしても、不注意や感覚過敏が目立って気になる時には、何らかの環境とのミスマッチがあると考えられます。
自分自身を「おかしい」「なおさなきゃ」という視点でとらえると、苦しくなってストレスが大きくなり、ますます症状が目立つ・・・という悪循環が起こりやすいです。
つまり、自分の考え方やとらえ方によって、二次的なストレスを生み出してしまうと、いっそう解決が難しくなってしまうのです。
困りごとは、「なおすべき原因」ではなく、自分が今の環境で対処しようと「がんばった結果」なのだと受けとめてみてはいかがでしょうか。
心と体が、がんばっていることを認めてほしいと発している「サイン」、それが困りごとや症状なのです。
「これだけ大変な中、がんばっているんだから、当たり前か…」という視点でとらえられると、ストレスが膨らんでしまうことを止めることができ、次第に落ち着いてくるでしょう。
ストレスが落ち着いても、まだ気になる時は
人生の中で生じるストレス状況は、たとえて言うと波のように、強く押し寄せたり、少し引いて落ち着いたりというリズムが見られます。
ストレスの高い波が来た時に、あまり無理をせず、自分に優しく、省エネルギーでしのぐことができれば、気になっていた症状も、時間と共におさまってくることが多いでしょう。
ただし、中には「ストレス状況は終わったのに、なかなか元に戻らない」と、不安を覚える方もいらっしゃいます。
当ルームでは、症状に関するエピソードをお聞きしたり、心理検査を活用したりしながら、気になる症状を見立てて、対処法を探すことができます。どうぞお気軽にお問い合わせください。