頑張って話さなくてもメンタル不調を改善できる

赤と青の状態が続くと生活に支障が出て「メンタル不調」と認識される

自律神経のチェックリストをご覧になって、いかがでしたか?

(まだご覧になっていない方は、こちら

赤や青の状態の項目に、たくさん当てはまったという方は、今いる環境の中でなんとか対処しようと、からだが頑張っている状態かもしれません。

これらの反応は、自然なものです。

かぜを引いたら熱や鼻水を出して病原体と戦う免疫システムと同じように、からだを守る仕組みの一部だからです。

ただ、これらがずっと続いてしまうと、生活に支障が出る場合があります。

交流モードの緑の状態になる割合が相対的に減ってしまうので、人付き合いがイヤになったり、自然に対応できなくなったり、社会活動が難しくなりやすいのです。

仕事だから、人から変に思われたくないから、などと、無理して人とうまく接しようとすると、それも闘争モードで行動することになり、よけいにバランスが偏っていくという悪循環になっていきます。

メンタル不調の症状に悩んで心療内科や精神科を訪れる方々には、赤や青の状態で頑張りすぎて、力尽きてしまった方が多くいらっしゃいます。

「メンタルの弱さを治す」「性格を変える」…そんな必要はありません

ここまでお話してきたように、メンタル不調が起こる原因は、環境に合わせて対処しようとからだが努力する仕組みがあるからです。

でも世の中には、「メンタルが弱いからだ」「性格が内向的だから」「折れない心を作るべき」など、まるでその人の性格や心を治さなくてはいけないようなメッセージがあふれています。

それらの声に押し流されて自分を変えようと努力することは、戦闘モードの赤の状態で頑張ることをいっそう強いることになり、ますますメンタル不調の症状が強まってしまうという、悪循環に陥りやすいです。

チェックリストで赤や青の状態に多く当てはまる方は、まずは緑の状態の割合も少しずつ増やせるようにしていって、バランスがよい状態を回復することが大切です。

緑の状態のキーワードは、「安全」「安心」「きもちいい」

緑の状態を増やすには、どんな風に過ごせばいいのでしょうか。

心と体の健康法は巷にあふれています。

運動、食事、睡眠、ダイエット、瞑想、ポジティブ思考、カウンセリング…。

何を選んだらいいか、迷ってしまいますよね。

選び方のコツとしては・・・

「誰にでも効く万能の方法!」とうたっているものは、疑ってみた方がいいと思います。

どんなにいい方法であっても、「体験の仕方」は、人によって違います。

「毎日やらなきゃダメだ!」というふうに義務感に駆られて必死にやると、自律神経は戦闘モードの赤の状態になります。

もともと緑の状態が十分な人がやる分にはいいエクササイズになりますが、緑が不足していて増やしたい方にはお勧めできません。

自分にとって、緑を増やす方法かどうかを見極めるためのポイントを3つあげると・・・

①安全だと感じる

②安心感がある

③気持ちいいと感じる

この条件を満たす「もの」や「時間」や「行動」を少しずつ増やしていく、という視点で選んでいくと良いでしょう。

ポリヴェーガル理論に基づく「無理に話さなくてもいい」カウンセリング

はじめに書いたとおり、私自身も、周囲の環境や人々の雰囲気を敏感に受け止める方です。

カウンセリングをする側になってからも、私と同じように赤や青の状態で緊張したり怯えたりしながら相談にいらっしゃる方のことが、気になっています。

ですから、なるべく対等な目線で安心して話せるような対話カウンセリングの技法を探して、学び続けています。

それでも「無理に話をするよりも、まずはこの方が最も緑の状態になりやすい方法を探した方が良いのではないか」と思う時があります。

からだを温める、音楽を聴く、景色を眺める、ゆっくりと身体を動かす・・・等々。

それらはむしろ、私が保健室で働いていた時に提供していたケアに近いようにも思えます。

素朴で原始的なケアの重要性を、臨床心理士の立場になってみて、改めて実感しています。

カウンセリング場面で話をすることが、「安心」「安全」「気持ちいい」と感じられない方には、その方に合う方法で、まずは緑の状態を増やせるようにアプローチすることをお勧めします。

その方が効果が得られるだけでなく、無理をして状態を悪化させるリスクも少ないと考えます。

湘南こころの保健室Joinでは、身体アプローチや五感を使うエクササイズなど、話をしなくてもできるカウンセリングとセラピーのメニューを用意しています。

自分だけのオーダーメイドの「安心と快適の作り方」を、見つけて、自律神経のバランスを調和させる生き方を身につけられるよう、一緒にお手伝いします。

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