「もっと、ずっと、いきいき暮らす」を実現する
WHO(世界保健機関)は「健康」を次のように定義しています。
「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)」
つまり、医学的な病気や異常の有無ではなく、心と体の状態、人づきあい、仕事やお金、住まい、余暇など、あらゆる側面で「生活の質」が高く、楽しくいきいきと過ごしていることが「健康」な状態である、としています。
Joinは医療機関ではありませんが、「生活の質(QUality of Life:QOL)」を高く保ち、いきいき過ごせるように、臨床心理士と養護教諭の知識と経験を活用してお手伝いします。
Joinで行うヘルスケア法の例
動作法
動作法は、心と体の調和を目指し、体を動かすことを通して心の不調を変化させようとする心理療法です。動物も人も、生まれた瞬間から、動かなければ生きることができません。動作は生きることそのもので、心の活動も随伴しています。不安や心配事があると体も身構えて緊張し、肩が上がったり、動きがぎこちなくなったり、声が出にくくなったり、息苦しく感じたり、力み過ぎて疲れたりします。心が落ち着いて安定すると、表情も柔らかく体の動きもなめらかになり、動作は自然で疲れにくく、呼吸も発声も楽に行えるようになります。
このように、心の不調がある時には体の不調も起こっているので、動作を整えることで心の不調を改善することができます。ストレスによる慢性緊張は肩こりや腰痛を引き起こし、自然な動作を妨げるので、それがさらなるストレスを引き起こす、という悪循環が生じやすいです。動作法を行うことで、気持ちよく動けるようになると、慢性緊張も軽減し、身も心も軽くなるという良い循環へと変えていきます。
呼吸法
心の状態と呼吸の仕方は相互に関連しており、呼吸の仕方を変えることで気分を変えることができます。たとえば、人は喜びを感じている時には、規則正しく、深く、ゆっくりとした呼吸になり、不安や怒りを感じている時には、不規則で、短く、速く、浅い呼吸になります。よって、深くゆっくりとした呼吸パターンを繰り返すことによって、気分を快適にすることができるのです。
ゆっくりと呼吸すると、生理学的には、自律神経の「消化と休息」を担う迷走神経腹側枝が刺激され、気持ちが落ち着き始め、気分がよくなり、合理的に考える能力が戻ってくると説明されます。また、心理的側面への効果としては、呼吸に受動的な注意を向けることにより、心身への気付きが高まり、内省力、創造性、問題解決能力なども高まると言われています。
自律訓練法
自律訓練法は「心身のリラックス健康法」「心の体操」などと呼ばれ、医療・健康分野だけでなく、教育や産業、スポーツ領域でも広く活用されています。自己暗示の練習によって段階的に全身の緊張を解いていく訓練法で、疲労回復やストレス解消などの効果が期待できます。
継続的に練習を行い、習得すると期待される効果として、次のような例が挙げられます。
- 知的側面:注意力の増大、記憶力の改善、課題対応能力の向上、学業成績の上昇
- 社会的側面:対人関係の改善、態度や意欲の向上、自発的活動の増大
- 心理的側面:不安の減少、情動の安定、攻撃性の減少、欲求不満耐性の上昇
- その他:刺激対応の柔軟性の増大、スポーツ成績の向上、創造性の開発
筋弛緩法
人は、自律神経系の働きや姿勢の歪み、ストレス反応などの影響で、意識しないうちに自動的に筋肉を緊張させていることがあります。こうした緊張は意識的に抜こうと思っても簡単に抜けるものではなく、慢性的なコリや痛みの原因になったり、雑念やイライラなどの心理的緊張の原因になったりします。そのため、この不随意の緊張をゆるめることが、心身の健康に大きな意味を持ちます。
筋弛緩法は、筋肉の特性(意識的に力を入れてその後脱力すると、それにつられて各部位の不随意の緊張がゆるむ)を利用しています。自律訓練法は心理的側面から、筋弛緩法は身体的側面から、心身のリラックスをもたらす技法と言えます。どちらも心身交互作用により最終的にはリラックス状態を得るものですが、心に注意を向けにくい場合には、現実の身体の緊張と弛緩を手がかりにする、この方法が取り組みやすいでしょう。
TFT(思考場療法)/タッピングセラピー
心身が不快感やストレス状態にさらされている時に、体の「ツボ」と呼ばれるポイントを指でタッピングすることで、苦痛を軽減していく方法です。特長として、手順がシンプルで速効性があること、有害事象は極めて少ないこと、他の方法と組み合わせやすいこと、誰でもセルフケアとして使いやすいこと、などが挙げられます。適用範囲も広く、トラウマ的ストレス反応、恐怖症、不安、怒り、悲しみ、罪悪感、抑うつ、身体的疼痛、強迫、パニックなどの困りごとへの対処のほか、スポーツや仕事の能力向上や、内戦や災害後の人道支援の現場でも役立てられています。
自然セラピー
自然セラピーは、エコセラピー、グリーンセラピーとも呼ばれます。自然環境の中に身を置いて自然とつながることでもたらされる利点に着目したアプローチで、欧米では関心が高まっています。現代的な生活スタイルにより、不安、緊張、抑うつ、心身の不調などを生じやすくなっている状態を「自然欠乏障害」として、警鐘を鳴らしています。ガーデニング、動物との接触、自然散策、屋内に植物を飾るなど、自然界と定期的に接触すると、自尊心、社会的つながり、健康、そして一般的な幸福感に貢献すると言います。
効果のエビデンスを実証する研究も盛んに行われ、自然の中で過ごすと血液中のストレスホルモン、呼吸数、脳の血流と活動が回復し、心理的な気分が向上することなどが示されています。ストレスやうつ病などの症状を軽減し、自尊心や自信を高めるための方法として、エコセラピーが処方された実例もあるようです。
森林浴
樹木の香りや木漏れ日、鳥のさえずり、新鮮な空気は、人に安らぎを与え、心身をリラックスさせ、不安を和らげ、ありのままに感じる手助けをしてくれます。これらの効果について、現在は科学的研究により根拠が立証されています。樹木の下を歩くことで、自律神経の安定、ストレスホルモンの減少、血圧や心拍数の安定、免疫を司るNK細胞の活性化、などの生理的変化が生じることが明らかになっています。
森や樹木の画像を眺めるだけでも、ポジティブな効果が表れることがわかっており、お気に入りの景色を撮影して持ち帰っていただくのもお勧めです。
ウォーキングセラピー
屋外で歩きながら、様々なものを見たり、匂いや温度を感じたり、五感に刺激を受けながら、時には会話もします。脳だけでなく感覚器や運動器など全身を同時に活発に動かすことで、自律神経を適切な状態に調節することができます。自然豊かな森や公園で行うことで、自然セラピーとの相乗効果が期待できます。
講演活動
各種学校や自治体主催の研修会や講演会へ、講師として出張いたします。出張依頼のご相談は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
これまでの講演実績
- 児童・生徒向けの心理教育プログラム
- 学校の教職員を対象とした研修会
- 療育施設の支援員を対象とした研修会
- 専門学校生向けのメンタルケアと離職予防
- 自治体主催のマタニティプログラム
働く方の職場支援の実例
- 学校の教職員に対するコンサルテーション
- 療育施設スタッフに対する発達が気になる子への対応法のコンサルテーション
- 職場の雰囲気を風通し良くし、離職率を下げるための対話実践
※文献・出典
- 学校で使える5つのリラクセーション技法 藤原忠雄著 2006年 ほんの森出版
- 動作療法 大多和二郎 ブリーフセラピー入門第13章 2020年 遠見書房
- 森林浴 李卿著 2020年 まむかいブックスギャラリー
- 呼吸法はなぜ、ストレス軽減に効果的なのか~感情をコントロールして長期的にレジリエンスを高める エマ・セッパラ他 2020年 Harvard Business Review https://www.dhbr.net/articles/-/7237?page=3
- eヘルスネット 厚生労働省 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-024.html
- Eco-therapy: The Walking and Talking Cure Manfred F. R. Kets de Vries 2016 https://knowledge.insead.edu/blog/insead-blog/eco-therapy-the-walking-and-talking-cure-4743
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