7月の3連休に、ブレインジムを学ぶための講座に参加しました。
6月には複雑性PTSDの援助についての座学の講座があり、今回は実技中心でした。
Tシャツにスニーカーという軽装で3日間、朝から夕方までみっちり実習してきました。
この機会に、ブレインジムとはどんなものか、書籍や研修資料を参考にお話します。
ブレインジムって何?
・「ブレインジム」はアメリカの教育学博士であるポール・デニソン氏が開発した「教育キネシオロジー」の基本となるもので、脳を活性化させるための体操です。
・いわゆる「脳トレ」のように頭を使って訓練するものではなく、身体を動かすプログラムです。
・簡単な体操を数分間行うだけで、身体が楽になって、その後のふるまいや行動に変化が現れます。
・頭がスッキリして、楽に物事を考えられるようになる、という人もいます。
・アキレス腱を伸ばしたり、目を大きく動かしたり、耳を引っ張ったりと簡単にできることから、オーストラリアの小学校では、ラジオ体操のように取り入れられています。
このようにブレインジムは、簡単な体操をすることによって、左右の脳や身体と心のバランスを調整する方法です。
また、簡単にできることとできないことがあったり、左右で動かしやすさに差があったりと、動きをしてみると様々なことに気付きます。
こうして自分の身体の状態に気付きやすくなること自体が、自己治癒力の促進につながると考えられます。
ブレインジムは、どのような効果があるの?
ブレインジムは、施術の場だけの一時的な改善ではなく、元の生活に戻ってからもバランスを継続するサポートとして、シンプルかつパワフルに役立ちます。
適用事例は数多くありますが、たとえば震災直後に余震のうわさにパニック状態だった人にブレインジムを行ってから対話すると、10分で冷静さを取り戻した例などがあります。
ブレインジムはもともと、学習障害などの子どもたちのためのプログラムとして、応用運動機能学から構成されたものです。
神経学的な根拠はまだよくわかっていませんが、動きを行うことにより脳の成長に重要な因子の分泌を促し、思考メカニズムに影響を与えることが明らかになってきているようです。
ブレインジムが有効なのは、どんなケース?
※以下は、臨床家の実感として有効性が感じられたという症例報告の紹介です。
- 知的障害の少ない発達障害にはとても有効で、思考の柔軟性や体験を言葉に変換することなどが改善され、短期間で会話の能力がレベルアップすることがあります。
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)についても有効です。治療者と「今ここは安全」と感じられる関係性を築けると、ブレインジム他の身体支援によって、身体の中に残る外傷性記憶の整理が行いやすくなります。
その他、様々なケースへの適用が紹介されています。
もともと教育プログラムであるので、ストレスや症状などのネガティブな事柄の除去だけでなく、達成したい目標への到達など、様々な課題の解決のために学び思考する力を高め、役に立つ可能性があると考えます。
今後は、Joinの心理支援の中でも活用しながら、さらに研鑽を重ねていきたいと思っています。