3月に東京都内の高校で講師を務めた「こころの教育講演会」の、実施後アンケートの結果をいただきました。
企画の打ち合わせの際に担当の先生から「もっと仲間の中に心を開いて飛び込んで、つながりを深めてほしい」という生徒への願いをお聞きして、内容を考えました。
自律神経を、交感神経と副交感神経の2つではなく、3つと考える新理論(ポリヴェーガル理論)の紹介を軸に話を組み立てました。これは私にとっても初めての挑戦でした。
「難解」と言われるポリヴェーガル理論をどうやって説明したら高校生に伝わるのかと悩みましたが、下のような流れでお話しました。
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自律神経は常に無意識のうちに周りの環境が安全かどうかを感知し、心と体の状態を変えて対応している。
それは3つのモードとしてとらえられる。
①緊張して頑張るモード
②ブレーキをかけて抑制し、充電するモード
③安心していて、人とつながろうとするモード
もし周りの環境が安全と感じられない状況だと、①や②にとどまってしまい、人を信頼して繋がりたいと思う気持ちが湧かない状態が続く。
「あまり人と話さない」人がいた時に、「あの人は話し好きじゃない性格だから」ととらえるのではなく、「安心できない状態だから話すモードではないのかも」と、とらえてみる。
そうすると、「安全で安心と思える状態になれば変わるかも」と考えられる。
皆が安全で安心と感じられる場や雰囲気を作っていくことが大切・・・!
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という風に、話を進めていきました。
そして、実際どうするかという対処法として、安心感を高めるセルフケア(リラクセーション)と、話し手がスッキリするグチの聞き方の実習を体験してもらいました。
高校生は恥ずかしがってやってくれないかな、と心配していましたが、目を閉じて呼吸をしたり、友人とペアで話したりと、体験に参加してくれる姿が見られました。
さて、アンケートの結果です。
話の内容を「理解できた」と答えた生徒の割合は95%でした。
今日の話が「今後の役に立ちそう」と答えた生徒は88%でした。
大方の生徒に内容が伝わったようで、ホッとしました。
生徒の感想の一部をご紹介します。
「適度に休みを取って、急ブレーキをかけないように心がけようと思った」
「呼吸で心に変化が起こることにとても驚いた」
「この方法でかなりリラックスできたので、実際に寝る前にやろうと思った」
「聞き手の人が反応してくれると話しやすいと思った」
「人に話したら心が軽く楽になるとわかった」
「聞き手はあまり自分の話を入れ過ぎずに相槌を打つ程度が丁度いいことを学んだ」
「過去や未来を見て行動を考えるのではなく、今を見つめて生きていくことが大事」
高校生の反応はとても素直で純粋で、感動しました!
そしてまた、核心を突く感性の鋭さに、感心させられました!
知識だけでなく、ワークを通して自分の身体や心が実際に変化することを体験し、印象に残ったという生徒が多いようでした。
年度の変わり目のお忙しい時期に貴重な機会と資料をいただき、ご対応いただいた先生方には心から感謝しています。
※ご依頼者の思いや願いに合わせて内容を組み立てる「心の健康プログラム」について、詳しくはこちら