チェックしよう! 3つの自律神経の状態

いまの自律神経の状態は…? 赤・青・緑で見てみよう

私たちのからだは、今いる環境が自分に合うのか、それとも危険なのかを、絶えず判断しています。

そして、自律神経が行う自動調整で対応し続けています。

これらの反応はからだの状態だけでなく、その時の気分や感情、考え方にもおよんでいます。

ネガティブな感情や思考がわいてしまうのも、その人の性格や人間性とは関係のない、生理的な反応の一部であるかもしれません。

そのことに気が付けば、不必要に自分を責めたり変えようとしたりして、疲れ過ぎてしまうのを防ぐことができるのではないでしょうか。

自分の状態を、3つの色で分けて説明した書籍が出版され、このように考えると感覚的にわかりやすいのではないかと感じています。

その3つの色で分ける考え方を、チェックリストにしてご紹介します。

以下のチェックリストを使って、自律神経の状態が、赤・青・緑のどれに当てはまる項目が多いのか、気付くきっかけになれば幸いです。

※このチェック項目は、

吉里心理士の著書

心療内科の臨床心理士が伝える最新メンタルヘルス入門

(リボンパブリッシング)

に挙げられている項目から、青木が抜粋したものです。

闘争モードの「赤の状態」の時に表れる反応

1.生理的な反応

【全身・姿勢】

☐ 前のめりになる(すぐ動けるように全身の筋肉を準備)

☐ 顔や上半身が赤くなったり熱を感じたりする

【顔の周辺】

☐ 視野が狭くなる(敵から目が離せない)

☐ 聴覚が過敏になる(ちょっとした物音にも気づく)

☐ 目やのどが渇く

【上半身】

☐ 首や肩が力み続けて、こる

☐ 腕が力みやすく、手は拳を作りがちになる

【呼吸器系】

☐ 胸式呼吸、浅くて速い呼吸になる

☐ 口呼吸になりやすい

【循環器系】

☐ 心臓の動悸が早くなる

【消化器系】

☐ 胃腸の動きが抑制される

☐ 食欲や排せつ機能が低下する

2.おこりやすい気分や感情

☐ 【戦闘的】怒り、敵意、嫌悪、意地、イライラ

☐ 【支配的】他人や状況を思い通りにコントロールしたいしたい)

☐ 【不安と不信】恐怖、動揺、混乱、焦り

3.わきやすい思考イメージや言葉

☐ 【べき思考・完璧主義】「~すべきだ、すべきではない」「早く」「間違えるな」

☐ 【断定的・強迫的】「許せない」「だめ」「絶対」

☐ 【不安・不信・動揺】「逃げたい」「帰りたい」「信じられない」「どうしよう」

休止モードの「青の状態」の時に表れやすい反応

1.生理的な反応

【全身・姿勢】

☐ 外側に意識が向かず、五感を通した感覚が鈍く感じにくい

☐ 全身の力が入らず、脱力感、だるさ、寒気を感じる

☐ 前屈みで、体育座りのようにお腹を守る体勢になりがち

【顔の周辺】

☐ 目が開けにくく、光がまぶしく感じる(外部からの刺激が脳に入ってこないようにするため)

☐ 涙を流して全身の力を抜く

☐ 口調は遅く、エネルギーや抑揚の乏しい声になる

☐ 顔全体の表情は乏しく、蒼白くなる

【呼吸】

☐ 呼吸はゆっくり浅くなる

【心拍】

☐ 血圧は下がり脈拍も低下する

【胃腸】

☐ 胃腸の動きは活発になり、排せつ機能が亢進する

2.おこりやすい気分や感情

☐ 【抑うつ感】ゆううつ、悲しい、希望がない、孤独感

☐ 【自分を責める】情けない、罪悪感、迷惑をかけてしまった

☐ 【生きるエネルギーが枯渇した感じ】燃え尽きた、消えたい、無感情、無力感、記憶が無い

3.わきやすい思考イメージや言葉

☐ 【虚無・絶望】「もうダメだ」「終わった」「何をしてもムダ」「どうでもいい」「やりたくない」

☐ 【人と関わりたくない】「一人になりたい」「放っておいて欲しい」

☐ 【考えられない】「わからない」「頭がボーっとする」「言葉が浮かばない」

交流モードの「緑の状態」の時に表れやすい反応

1.生理的な反応

【全身・姿勢】

☐ 五感のそれぞれが、敏感過ぎず、鈍感過ぎず、丁度良い

☐ 体全体の熱感も、暑すぎず冷えすぎず、温かくて丁度良い

【顔の周辺】

☐ 笑顔、微笑みが出る

☐ 目の潤いが増し輝く

☐ 口調は穏やかで、早くも遅くもなく、抑揚ゆたかな声になる

【心拍・血管】

☐ 血圧や脈拍が落ち着く

【呼吸】

☐ 呼吸はゆっくりと深くなる

2.おこりやすい気分や感情

☐ 【安心感】穏やか、安心、ホッとする

☐ 【充足感】満足、充実、嬉しい

☐ 【好奇心】興味津々

☐ 【豊かな情感】気持ちいい、感動

3.わきやすい思考イメージ、言葉

☐ 【受容】「そのままでいい」「どっちでもいい」「お任せしよう」「すべてOK」

☐ 【好奇心・わくわく】「どうなるのかな」「楽しみ」「やってみよう」

☐ 【他者への愛と親しみ】「ありがとう」「愛している」「おかげさま」

☐ 【人と関わりたい】「一緒にやろう」「遊ぼう」

いかがでしたか?

これらの3つの状態は、決して、「赤と青がダメで緑がいい」わけではありません。

その時々の状況に合わせてスムーズに変化できることが「適応できている状態」と言えます。

頑張り時には赤でふんばり、山を越えたら青で休むことが、人生には必要です。

しかし、どこかの状態が長く続き過ぎて、他の状態にスムーズに移れない状態になると、生活していく上で支障が多くなり、「メンタル不調」として自覚されるようになるのではないでしょうか。

状況とからだの状態の、バランスを見ていくことが大切なのです。

では、自分の状態がわかったところで、どうすればいいのでしょうか?

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